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著作権フリー画像をPixabayやぱくたそから使う時の注意点

著作権フリー画像をPixabayやぱくたそなどの無料素材サイトから使う時の注意点について書きます。

著作権フリー画像サイトというのは実は間違って理解されています。商用利用OKをうたっていてもどんな画像でも自由に使える訳ではなく注意が必要です。特に女性の写真など人物写真は注意を払うべき点がたくさんあります。

今回は比較的安心して使えるお勧めのフリー素材サイトの特徴とその使い方についても紹介していきます。

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著作権フリー画像とは

著作権フリー画像と一般的には言われていますが注意が必要です。

著作権フリー画像とは「保護期間が過ぎているものや著作者が著作権を放棄したもの」と受けとめられているようです。(ちなみにTPP11発効により写真などの著作物の保護期間は著作者の死後70年までとなっています。改正前は50年です。)

フリー素材サイトは、著作権フリーとか商用利用OKなどと紹介されることも多く、どんな画像も自由に使えるというイメージを持たれるかもしれませんね。しかしPixabayなどのサイトを良く見てみると著作権で保護されるべき写真も中には見つかります。英語ですがPixabayのサイトでも注意があります。

無料の画像サイトでは利用規約をきちんと読んで規約違反にならないよう注意する必要があります。更に、AdSenseなどでブログの収益化を行うブログでは、これとはまた別に注意すべき点もありますので後ほど詳しく紹介していきます。

無料画像の著作権について

フリー素材サイトでダウンロードできる無料画像の著作権はどのようになっているのでしょうか?

まずは規約をよく読みましょう。各フリー素材サイトの利用規約へのリンクを張っておきます。「著作権フリーのサイトではありません」と明確に書いてあるサイトもありますよ。

一般的にはCC0画像(CC0はクリエイティブコモンズライセンスのひとつ)といって自分の意志によってパブリックドメインで使えるようにした画像という扱いになっていることが多いです。パブリックドメインとは知的財産権が発生していなかったり消滅した状態を指します。

ロゴや商標(トレードマーク)が映り込んでいる写真

著作権フリー画像と一般には言われていても実は著作権から逃れられない写真もあります。

その一例がロゴや商標(トレードマーク)が映り込んでしまっている写真です。有名企業のロゴや商標が映り込んでいる写真を使う場合には注意が必要です。

高級ブランドなどを持つ企業はそのブランド力が利益の源泉になっています。なのでブランドを棄損するような写真の使われ方や加工をされる場合には訴えられるリスクもあります。

ブランド企業や大手企業にお勤めの方は既によくご存じかもしれませんが、ロゴや商標の色や形は非常に厳格に決められています。歪んだものを使うことは厳しく制限されます。また使ってよい場所も決められています。

商標を登録して維持するためにはコストがかかっており、その分きちんと保護されるようになっているのです。誤認されるような使い方やブランドを棄損するような使われ方は社員であっても厳しく責任を問われます。相手の立場に立って考えましょう。

別の話になりますが似た問題として赤十字のマークの使用があります。赤い十字は一般的な病院や医療を象徴するマークではありません。赤十字マークは中立および保護すべき対象であることを示すものです。赤十字マークのついた建物や車両に攻撃を行うことはジュネーブ条約違反になります。これは戦闘状態にある地域では非常に重要になります。

ちなみに2019年は1949年のジュネーブ諸条約(ジュネーブ条約3度目の大改訂)から70周年にあたります。はるなぴは日本赤十字の活動に関わったことがあり少しですが詳しくなりました。

赤十字マークの使用は乱用、誤用を防ぐよう注意が必要です。Webデザインを行う場合にも安易に赤十字マークを使用するのは止めましょう。知らないと、病院や薬局、救急箱などに医療を象徴するマークとして使ってしまいがちなので注意が要ります。

詳しい話はこちらのサイトが参考になります。

ilamemo.com

芸術的な建物に対する著作権

芸術的な建物と書きましたが、デザイン(意匠)が著作権で保護されるということなので注意が必要となる場合があります。

まあ普通に考えればその写真を使って利益を出そうとしていない限り訴えられるリスクは少ないと思えますよね。

ところが海外では要注意な例もあります。有名なのが夜のエッフェル塔の写真ですね。興味を引くために「撮影すると逮捕される」という見出しにしている記事もあるくらいです。いや、撮影しただけで即逮捕はさすがにないと思いますが…

ルーブル美術館に行った人は館内で自由に絵の写真が撮れるので「何で?」と思われるかもしれませんね。でも昔の絵画は写真に取るのも、その写真を公開するのもOKなんですね。

これは今回改めて調べてみて複雑だなあと思いました。フランスにはEUで認められている著作権上の例外である「景観の自由」が認められないのですね。エッフェル塔自体の著作権はとうに切れていますが、ライトアップのデザインは著作権での保護期間内です。(2005年2月2日にパリ市が著作権を取得しています)

ちなみにPixabayで「エッフェル塔 夜」で検索してみると美しくライトアップされた写真がたくさん出てきます。最近のデジタル一眼レフカメラは高性能なので写真を売り物にしようと思ったら十分にできそうな感じがします。これはトラブルの種です。

海外向けの物販サイトや多言語サイトを制作されている場合は特に注意が必要ですね。著作権恐ろしや!

無料画像における肖像権

肖像権という言葉は広く知れ渡っていますよね。「それは肖像権侵害だ!」とかね。

これは法律的にはプライバシーやパブリシティーの権利の侵害と捉えられます。著作権とはまた別の問題です。無料画像を提供するストックフォトサイトの利用においても注意が必要です。

例えばPixabayですが人物写真は大量にありダウンロードすることができます。しかしこれらの写真がすべて肖像権の問題をクリアしているのかどうかというと疑問があります。有名人じゃないから肖像権は関係ないとはいかないです。

「他のフリー素材サイトではちゃんとしたモデルさんを使っているのだから大丈夫では?」と思うかもしれないですね。そういうサイトではモデルリリース(被写体となっている人物から許諾を得たもの)の表記があるかどうかを確認します。

モデルリリースの表記があれば何でもOKか?そんなことはありません。モデルの尊厳を否定したり品位を損なうような使い方には制限がかかります。例えば大人サイトでの使用もモデルリリースで明確に認められてない限り無理と考えた方が良いでしょう。勝手な使い方をしていると訴えられるリスクがあります。

有料のストックフォトサイトを使う場合でも、この点は注意が必要です。お金を払ったから何でもしていいというワケにはいかないんですね。

お勧めのフリー素材サイト4選

はるなぴが利用しているフリー素材サイトをご紹介します。

他にもたくさんのサイトがありますが多ければ良いというものでもありません。ある程度絞って使わないとどのサイトから写真を利用したのか分からなくなって管理が大変になります。

またサイト毎に利用規約も違います。著作権フリーとか商用利用OKとかいろいろなことを謳っていても実際には制約がかかる使い方はあるわけですから、各サイトの規約をきちんと理解して使うことが大切です。利用規約が詳しくきちんと書かれているサイトを利用することがお勧めです。

ここで紹介する素材サイトには大量の無料画像がありますので、量的に足りなくなって困るということはないと思います。また基本的には、画像ダウンロード無料、商用利用可能、クレジット表示不要です。

Pixabay

Pixabayには非常に多くの無料画像があります。海外の写真がメインで、おしゃれな写真もたくさんあります。

pixabay.com

はるなぴログではPixabayの写真をたくさん使っています。商用利用可能、クレジット表示不要ですが、先ほど説明したように注意が必要な画像の使い方があります。

この他に女性やこどもの写真を使う場合にはまた別の注意が必要ですので後ほど説明します。

Pixabayの利用規約

Pixabayの利用規約を見てみましょう。

pixabay.com

2019年8月現在、日本語版の利用規約は見当たらないです。英語版になります。肝心の部分だけ引用しておきます。

Please be aware that while all Images and Videos on Pixabay are free to use for commercial and non-commercial purposes, depicted items in the Images or Videos, such as identifiable people, logos, brands, etc. may be subject to additional copyrights, property rights, privacy rights, trademarks etc. and may require the consent of a third party or the license of these rights - particularly for commercial applications. Pixabay does not represent or warrant that such consents or licenses have been obtained, and expressly disclaims any liability in this respect.

「Pixabayのすべての画像や動画については商用/非商用目的ともに使用は無料ですが、特定できる人物やロゴ、ブランドなどが写っている写真や動画については、更に、著作権、知的財産権、プライバシー権、商標権などの対象となることがあり、これらの権利に関するライセンスや第三者の同意が必要となる場合がありますので注意してください。(特に商用利用)」とのことです。

そして「Pixabayはそうしたライセンスや同意が得られたという保証も表明も行わないし、このことに関する一切の責任から免責されます」とあります。これは非常に重要なポイントであり、画像を使用する際にきちんと理解しておく必要があります。

人物が特定できる写真、ロゴ、ブランドが写りこんでいる写真に注意する理由がここにあります。

著作権フリー画像や商用利用OKと紹介されていても実際には使い方に気をつける必要があることがよく分かります。フリー素材サイトのメリットだけでなくデメリット、というか注意すべき制限事項をきちんと伝えていくことが大切だと思います。

ぱくたそ

ぱくたそは日本の無料画像サイトです。なので日本人の人物写真が必要なときはここですね。

www.pakutaso.com

有名なフリー画像サイトなので、たくさんのブログを見て回っている方は「どこかで見たことがある写真だなあ」と思われるかもしれません。

ぱくたそには、かわいい女性の写真もたくさんあります。Pixabayと違ってモデル名が表記されている写真はモデルリリース取得済みです。

とは言え女性の写真についてはPixabay同様使い方には注意が必要なので後ほどまとめて説明します。かわいい女性の写真だからと使っていると足元をすくわれる可能性もあります。

ぱくたその利用規約

ぱくたその利用規約を見てみましょう。

www.pakutaso.com

こちらも重要な部分を引用しておきます。

「著しくブランドを毀損した使用」 「模倣した製品などの開発(意匠権の侵害)」 「スポンサーへの配慮の問題(ユースケースの不適合)」

上記の場合がそれに該当し、権利の所有者・メーカーから指摘される可能性があります。 このようなことがないよう、一般常識の範囲(ユースケース)で利用し、商用で利用される場合はクライアントやスポンサーへの配慮等が必要になるケースがあり、それら個々のケースに合わせての利用をお願いしております。漫画のトレースや背景利用の場合、特定される部位を除去、ボカシ、トリミング、画像はイメージですと注釈をつけるなど、素材という事を念頭にご利用ください。紛争やトラブルが発生しても、当方は一切責任を負いません。

Pixabay同様、無料素材といっても注意すべき点はたくさんあります。モデルリリースについても詳しく書かれていますので利用規約を是非読んでみてください。

モデルリリースが取れている写真でもなんでもOKではありません。注意すべき点について詳しく書かれています。

足成

足成も日本のフリー画像サイトです。

www.ashinari.com

ぱくたそもそうですが足成の人物写真も使うシチュエーションを想定して撮られたものが多いように思います。

ネタとして撮っている写真のように見えるのでブログで使うとインパクトのある見え方になります。逆に自然な感じにしたい場合は合わないかなと思う場合も多いですね。

足成の利用規約

足成の利用規約はこちらです。

www.ashinari.com

写真素材の利用可能範囲や利用禁止範囲、人物写真の利用について非常に詳しく書かれています。ここに書いてあることは他のフリー画像サイトでも守るようにしておけば安心です。

写真AC(Photo AC)

写真ACはおしゃれなフリー画像サイトです。無料で画像をダウンロードすることができます。

www.photo-ac.com

ビジネス用途でも安心して使えそうな品位のある写真が多いというイメージがあります。女性の写真なども美容関連サイトでも使うことができるようなオシャレなものがたくさんあります。有料プランもあるので高品位な素材サイトというイメージですね。

人物写真だけでなくWebサイトのデザインに使える画像も大量にあります。有料のプレミアムサービスに登録すると素材をダウンロードし放題(無料会員は1日10点まで)になりプレミアム素材を好きなだけダウンロードできたりします。

無料の著作権フリー画像サイトですと素材が他のサイトと被ってしまいがちです。オリジナルな感じで高品位な画像を使いたい場合には有料プランを検討するのもお勧めです。

写真ACの利用規約

写真ACの利用規約はこちらです。

www.photo-ac.com

「写真のダウンロードと使用」のところに注意点が書いてあります。禁止事項については非常に細かく規定されていますので、よく目を通しておきましょう。モデルリリース条項も要注意ですね。

女性の写真を使う時の注意点

女性の写真を使う場合に注意すべき点についてまとめます。

まずはPixabayからです。

Pixabayにはあらゆる写真が登録されています。試しに「女性」のキーワードで検索をかけてみてください。キワドイ写真もたくさん見つかりますね。昔はこんなにたくさん見つかることはなかったのですが、だんだん増えて今では大変なことになっています。著作権フリー画像と紹介されることも多いのですが本当に大丈夫でしょうか…

こうした写真を検索結果から外すにはセーフサーチのチェックボックスにチェックを入れます。これで除外できたのでしょうか?

ファミリーセーフの観点から注意すべき写真

こうした写真を除外するのはファミリーセーフの観点から必要になってくる場合があるからです。

ファミリーセーフであるとは、その記事を「こどもや配偶者を含めた家族に安心して見せられる」ということです。AdSenseで収益化を行っているブログでは注意していく必要があります。なぜかというと禁止事項の中にアダルトコンテンツが入っているからです。これからAdSense審査に合格しようと思っているブロガーも注意が必要です。

さてセーフサーチしていれば大丈夫かというとそうとは限りません。なぜかというとAIは見破るからです。何を見破るかというとモデルがセーフサーチに引っ掛かる写真に写っているモデルかどうかを見破るということです。ですからアダルトコンテンツに参加しているモデルの写真を使うとセーフサーチに引っ掛からなくても問題になる可能性があります。

更にPixabayのセーフサーチで大丈夫かというとそこにも疑問があります。AdSenseの場合であればAdSenseの基準に沿っているかどうかがポイントになります。

人物を特定できる写真、つまり顔の写っている写真を使う場合にはこのような点に注意していく必要があります。著作権フリー画像といっても女性の写真の場合にはこうした点にも気を遣わなくてはなりません。大変ですね。

水着写真については更に注意が必要

水着写真など肌の露出が多い写真について更に注意が必要です。

なぜかというとAIが誤認するからです。将来的にAIの認識精度がアップすれば問題はなくなるのかもしれません。しかし今はまだ安全策を取っておくのが安心です。

まだまだ注意すべきことはあります。それは児童や幼児の写真です。欧米では児童ポルノに対して非常に厳しい規制がかかっています。児童や幼児の写真で肌の露出が多いとAIに危険なコンテンツだと誤認されてしまう可能性があります。赤ちゃんの写真でさえ気をつけて使わないと危ないです。

ぱくたそなどの女性モデルについて

ぱくたそのようにモデルリリースが取れていてモデル名をはっきり出している写真なら女性の写真でも安心でしょうか?

いえいえ、ファミリーセーフの観点からはそうとは限りません。いつの間にか露出の多い写真を提供しているモデルさんもいらっしゃいます。今のところはグラビアアイドルという感じです。既にこどもに安心して見せられるという線は超えていると思います。将来的にどこまで進むかは分かりません。

男性の目を引こうとしてこうした写真を使うとAdSense合格の妨げになる可能性があります。アイキャッチのやり過ぎに注意しましょう。

著作権フリー画像まとめ

著作権フリー画像や商用利用OKといっても実にたくさんの注意すべき点がありますね。

こんなに面倒ならもうテキストだけにして写真や画像を一切使わなければいいのではないかと思われるかもしれませんね。

ところがそうもいきません。テキストだらけの文章は読むのに疲れてしまいます。

更に、はてなブックマークのホットエントリ入り(はてぶ砲)やスマートニュース掲載(スマニュー砲)を狙うならアイキャッチ画像は大切です。人の目を引くアイキャッチ画像をつけておけばアクセスが上がるからです。

フリー画像サイトの利用規約をきちんと読んで理解すること、更に注意すべき点について頭に入れつつブログやWebサイトを作成することが大切です。

書きだしたらたいへん長い記事になってしまいましたが、皆さまのブログ作成のご参考にしていただければ幸いです。