Macは使いにくいという記事が溢れています。
特にWindowsからMacに乗り換えた方の使いずらいという記事が目立ちます。
前回の記事で使い勝手を比較した際に、これは単なる「慣れの問題」と書きました。
しかし深く考えてみるとそこには単に慣れの問題にとどまらない重要な事実(思想)があることに気付きました。
今回は独自視点でMacの使いにくさについて掘り下げて考えていきます。
Macとウインドウズの比較
先週Macとウインドウズの比較記事を書きました。 こちらです。
おかげさまで大好評。 スマートニュースにも載りアクセス激増でした!
やはりMacとウィンドウズお互いに気になる方が多いということかと思います。 そこでもう少し掘り下げてみようと思います。
Macが使いにくいという記事が溢れていた!
ググってみましたらMacは使いにくいという記事が大量に見つかります。
中でもまとまった記述のある記事はこちら。
なんと36個にもわたりMacの使いづらさについて書かれています。
もともとWindowsパソコンを使いこんできたという方です。
Macユーザ、両刀ユーザの方、どのような感想を持たれるか大変興味のあるところです。
Macでもカットアンドペーストができるようになった!?
更にWindowsユーザが驚くような記事も見つかります。
こちらをご覧ください。
www.webmagazine.kakisiti.co.jp
カットアンドペーストができるようになった???いつの時代ですか?
Macが誕生して数十年。やっとこさカットアンドペーストができるようになった? Windowsユーザからすると驚きでしかないですよね!
一体それまでどうやってファイルを移動していたのか?いちいちコピーしてから元のファイルを消す?そんなアホな!
Macでカットアンドペーストする方法
元ネタ記事にも書いてありますが念のため紹介します。
- command + cでコピー
- command + option + v で貼り付ける
これで元ファイルは消えファイルの移動を行うことができます。
でも何故?こんな分かりにくいショートカットなのか?
そういう疑問はもっともですよね。
ちなみにコピーのショートカットは、
- command + cでコピー
- command + v で貼り付ける
これだとoptionキー
の意味が「元ファイルを残さない」ということになりますが、どう考えてもこれは分かりにくいです。
command + v
のショートカットに既に「貼り付け」の意味があるのですから、コピーではなく単純にカットする別ショートカットを事前に実行すれば良いだけではないですか?Windowsのように。
Appleの開発者は、そしてこうしたショートカットを受け入れているMacユーザはアホなのでしょうか?
これ煽りで書いているのではなくて、そう反語…そんな筈はさすがにない、ということに繋がっていきます。
そしてこのカットアンドペーストのショートカットを導入したことはMacとAppleにとって重大な意味を持っているということを書きます。
Macの本質と二面性
Macとはどのようなパソコンなのでしょうか?
Macは基本的に「芸術家のものである」と、はるなぴは考えています。スティーブ・ジョブズの理想がそこにあるからです。
パソコンを単なる機械と考えず、何か新しい価値、芸術を創造するためのものとみなすのです。
そのような強力なそして特殊な位置づけがなければマイノリティとして生き残っていくことはできなかったでしょう。
MacのGUI
MacのGUIというのは正にこの理想を体現するものです。
芸術家、アーチストのためのものであるMacのGUIには拡張子なんてものは必要ありません。そんなものは知らなくて良いのです。
ドットファイルも同じです。そのようなものは見える必要すらないのです。
そしてGUIの操作は直感によって行うべきものです。いちいちショートカットを覚えてするようなものではありません。
マウスでさえも必要ではない。そういう世界をMacは目指しています。Macのトラックパッドがここまで精巧にできているのはそのためです。
Macの将来
Macの将来はこのような方向を更に目指して進んでいくものと思われます。
例えばAIと音声認識の活用です。
プログラミングも例外ではないかもしれません。
例えば、Macに向かって話しかければ即座にプログラムを作成してくれるとか…
フィボナッチ数列のプログラム組んでくれない?
どの言語にしましょうか?
そうだなぁ。じゃあPythonでお願い。
できました。
じゃ、何か動画で出してくれない?
そんな話が現実になるのも遠くないかもしれません。
MacのCUI
GUIだけ取ってみれば、ある意味素人向けということもできます。
プログラミングなんて全く知らない人向けということです。
お年寄り向けのらくらくホンみたいという例えが出るのもある意味当たっているとも言えます。
しかしです。Macには二面性があるのです。それがMacのCUIです。
MacのCUI。それはUnixベースでのコマンド操作が可能ということです。
ターミナルを開けばそこはすぐにUnixの世界。Homebrewというパッケージ管理ソフトも使えてUnixベースで開発する人には玄人の世界が待っています。
この人たちはCUI(テキストベース)の世界で生きています。中にはCUI最高、GUI(特にマイクロソフトのWindows)クソという極端な方もいる世界。
エディタもvimやEmacsという方が多い。基本的にGUIを必要とはしていない方です。
Macの二面性
このMacの持つ二面性に謎を解くカギがあると、はるなぴは考えています。
最初に紹介した記事にこのような記述がありました。
更に厄介なことに、その不便さを痛感してるのは自分だけじゃないだろうと思いググっても、案外ヒットしません。(ヒットするけど自分程細かいところまで気にしてない)だから、打開策や代替案が無いのも致命傷です。
Macのベテランユーザー複数名に聞いたりしても、「そんなこと考えたことが無かった」という答えが返ってくることがほとんどです。
はるなぴの想像ですが、そもそもMacユーザはGUIを(特にマウスによるGUI操作を)極めようなどとは全く思っていません。
マカーにとってGUIというのは、誤解を恐れずに言えば、何かをグリっとしてシュッとして恰好良く気持ちよく操作するためのものなのです。
一方でCUIユーザはGUIを便利に使うことがそもそも念頭にない。
これがWindowsユーザとのギャップを生む原因だと思います。
Windowsユーザはどうなのか?
Windowsユーザについて考えてみましょう。
これはもうバリバリのGUI操作派ですね。しかもマウスを縦横に使うGUIです。メニューから項目を選んでクリックするGUIです。Windowsを使い込んでいけば自然とそうなります。
こうしたユーザがMacのGUIを使おうとすれば…
そうですね!もう不満の原因は分かりました!
もともと目指すものが全然違うわけなんです。
紹介した記事を書いた方は、今のままではおそらくMacで幸せになることは難しいと思います。
Macとの正しい付き合い方?
Macが二面性を持っているのなら…そう、私たちも2つのモードを切り替えることによって、もっと幸せになれるかもしれません。
つまり、芸術家モードとプログラマモードです。
MacのGUIを操作する時は芸術家モードだと思うわけです。
拡張子もドットファイルもまったく興味なし。ショートカットキーはできるだけ使わない。それこそ話しかけたら全部やってくれないかな?ぐらいの気持ちになる(笑)
一方でプログラミングをするときはターミナルを開いてCUIの世界に入る。これはプログラマモードです。
ここでは拡張子、ドットファイル何でも来いの世界です。運用はすべてコマンドでやる。GUIなんてものの力を借りるのは邪道だと思うわけです。
これができると立派なMac使い?
大変そうだなとWindowsユーザは思うかもしれませんが長い間Macを使えば自然とそうなる確率が高まります。
Mac使いは嫌われないよう注意
芸術家気取りのプログラマ。
Mac使いがそのようになる理由はMacの設計思想にあるのです!
Macユーザが芸術家気取りで鼻につく! そういう記述を見かけるのも理由がよく分かるようになりましたね。
嫌われないように注意しましょう。
スタバでドヤ顔なんていう表現が流布するようになって久しいですが、はるなぴはもうMacbook Proもってスタバに入る勇気が最近なくなってきました。ドトールやエクセルシオールに避難してます(笑)
Macのカットアンドペーストの謎が解けた!
お分かりになりましたか?
カットアンドペーストのショートカットがずっとMacになかった理由…
そうです。そういう操作はそもそもMacの思想になかったんです。
GUIは直感的にやっていくものなのです。
なのでのドラッグアンドドロップなんです。
何かを移動するのは直感的操作ができるのでドラッグアンドドロップするべきものだったんです。Macでは。
コピーは?
コピーするのは直感的操作は難しい。
なのでタップして「hogehogeをコピーする」という表示をさせ、別の場所でペーストさせる。これでよいのだ!Macでは。
そうです。設計思想としては実は一貫しているのです。コピーアンドペーストとカットアンドペーストの操作が一貫していないこと自体、思想としては一貫していたのです。
じゃあなぜカットアンドペーストのショートカットが用意された?
そうですよね。そういう疑問は当然出てきます。
これは、はるなぴ独自の考えですが、ジョブズが生きていたら激怒したのではないでしょうか。
おそらくAppleの中でも激論が戦わされたのではないかと想像します。
そしておそらくWindowsのモノ真似という評価だけは避けたかった…それがあの分かりにくいショートカットになった一因かもしれません。
というか、できればあのショートカットは使ってほしくはない、そこが本音ではないかと思います。
じゃなきゃあんな使いにくいショートカットやっぱりおかしいです。
結局はWindowsの軍門に下ったということになります。
Windows流の操作とMac
Windows流の操作がMacに取り入れられるようになるとどうなるか?
そう。Windowsユーザからの乗り換えを促すことができます。Macでもカットアンドペーストできるようになったよ!
いや、書いてて思うわけですけど、これはやっぱり屈辱的ではないでしょうか。Mac派の人にとっては。わたし自身は強烈なMac信者ではありませんけど、さすがにお察しします。
やっぱりジョブズなら激怒しただろうと思うわけですね。
Windowsでのやり方が(少し方法は変わっても)Macでできるようになると…MacとWindowsの違いがなくなってきます。
そうなると問われるのはMacの方です。なぜMacを選ぶのか?
前の記事にも書きましたが、このままでは今後Macは苦しくなると予想します。Dockerの登場もありWindowsとMacの違いがなくなってきているからです。
GUI派 vs CUI派
ここではWindowsのGUI派とCUI派について書きます。
今Windowsマシンで秀丸を使ってブログ記事を書いています。メニューにマウスでカーソルを持っていってプルダウンさせスライドすると…
たくさんのサブメニューがダーッと次々に表示されていきます。これをコマンド覚えてポチポチ打つなんて考えられません。
CUI環境
とは言えCUI環境まったく知らないのも、もったいないと思います。VimやEmacsも一度は手にしてみるのも悪くないと思います。キーを割り当てて使えばいちいちコマンドを叩かずに済みますし。
はるなぴもVimやEmacsを使ってきたのですが最近は使用頻度が激減しています。マイクロソフトのVisual Studio Codeのせい(おかげ)です。ちょっと前のIDE並みの機能があり無料で提供されていることもあって手放せません。Vimのキーバインドで動かすことも可能です。
ただしです。これも結局はプラグインのおかげなのです。
そしてたくさんプラグインを入れていくと…重くなります。
はるなぴのVSCodeもかなり重くなってきました。その点、秀丸はいいですね。プログラミングでは使いませんが日本語書くならコレです。Macでは残念ながら同様のものはありません。
Windows GUI環境
これは侮れません。
冒頭で紹介した記事を見ても分かると思います。マウスを使って非常に効率の高い作業をしているということです。
7ボタンマウスですか…はるなぴも導入してみようっと。
今までショートカットキーで対応して特に不満はありませんでしたが、この記事を読んで興味を持ちました。
WindowsのGUIによる作業効率は実のところ非常に高いです。 右手にマウス、左手はキーボードということが多いです。
ウィンドウの切り替えは左手のAlt+タブ、右手のマウスでスクロール+クリックで、左右両手の同時作業でどんどん進みます。
これに7ボタンマウスが加われば確かに最強かもしれません。
マウスの使いやすさ
前の記事でも書きましたが、マウスは手を置いて休めておくのにちょうどいいんです。
Macのトラックパッドも確かに良くできてはいます。
しかしブラウザ散歩をしているとき右手全体が何かに乗っているというのはとっても安心感があってリラックスできるのです。
タップしたりスワイプしたり指の数を変えたりというのは疲れてしまうんですね。
まとめますと、はるなぴはCUIもやりますが、それに固執したりはしていません。マウスは使いやすいですしリラックスできます。GUIだからといって馬鹿にしたりせず素直に使いやすいものは使ったら良いと思います。
このあたりが、はるなぴがMacオンリーにならずWindowsと併用でやっている理由になるかと思います。
落ちやすさについて
Macは落ちにくい、いや、Linuxはもっと落ちないよ。本当でしょうか?
はるなぴの所見を書きます。
Macの落ちやすさ
Macは落ちにくい。(Windowsに比べて)本当?
Macはハイスペック寄りです。メモリも多め。はるなぴの場合Macは16GB、Windowsは8GB積んでいます。もともと4GBでしたが足しました。ちなみにMacは1TB SSDです。
そのまま比べればMacが落ちにくくて当然ですね。
でもね。Macの方が再起動の回数はずっと多いです!
なんでかというと…
多分Macの方がメモリ食いなんだと思います。
Windowsはメモリが充分でないからそんなにガバガバとメモリを消費しないようにソフトがなっているのではないでしょうか。
その点Macは仕事をやらせると目に見えて遅くなる。カーソルが動かなくなって固まってしまうということはあまり無いですが、実質的に動かなくなる。そうすると開いているソフトを閉じる。
それだけだと気持ち悪い(メモリが開放されているか心配)なので結局再起動します。これはMacの方が圧倒的に多いのです。
ではLinuxはどうでしょうか?
Linuxの落ちやすさ
LinuxはCUIで落ちたことはほとんどありません。
でもね。MacやWindowsでもCUI状態で落ちたことはほとんどありません。記憶にないほどありません。
じゃあGUIはどうか?
これはLinuxは最悪です。GnomeでFirefoxなど使うとしょっちゅう固まります!
なんだGUIなら同じじゃん。
そうです。いえ、そうではありません。Linux最悪です。
なので重要なソフトが動いているLinuxマシンの上で安易に調べものなどしようとブラウザなどGUIソフトを立ち上げてはいけません。固まります。
まぁサーバは別室にあってSSHでログインするのでしたら普通は心配ないかもしれません。手元にあってコンソールで見ている場合は要注意です。
どうしても必要という場合は軽量なGUIを選びましょう。
Windowsの落ちやすさ
Windows10になってそんなに落ちた経験がありません。
Windows10で心配しなければいけないのはアップデートです。でもそこをくぐりぬければ大丈夫。
結局はメモリをどれだけ積むかということにもよりますが、WindowsはGUIで運用することを前提にずっとやってきた分、落ちないようにすることに一日の長があるように思います。
Windowsで怖いのはカーソルが固まること。もうどうしようもないので電源ボタン長押しという最終手段に出ます。この時にちゃんと立ち上がってくるかどうかは本当に恐怖ですね。
Windows7の時に1台お釈迦にしていますがもう思い出したくないです!
まとめ
MacとWindowsそれぞれの特徴について書いてきました。
MacのGUIはWindowsのGUIとは思想からして違います。WindowsユーザーがMacを使う場合には見方をガラッと変えてみる必要がありますね。
そしてMacもWindowsもそしてそれをGUIで使うか、CUIで使うかということにもそれぞれの特徴があります。
ネットの議論では極端に走る人が一定数いますが、これは集団成極化現象ではないかと思います。気になる方はググってみてください。
それぞれの製品が世の中に存在していて、そしてそれぞれファンもいるということ。それだけの価値が認められてこの世の中にあるということです。
どれがベストかということではなく、それぞれの持ち味を生かして使うことが幸せになる道ではないかと思います。