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MacでWindowsを使う

MacでWindowsを使う方法を紹介します。

メリット、デメリットやコストを比較してみましょう。いろいろなやり方があり購入する価格も違うので目的に応じて自分に最も合う方法を選ぶことが大切です。

コストのかからない、お勧めの方法についても説明します。

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Boot CampでWindowsを使う方法

MacのBoot Campを利用してWindowsを使う方法です。Boot CampはMac OS Xに付属のツールです。フリーソフトではありません。

Boot Campを使うと起動時にOSを切り替えることができます。2つのOSを切り替える場合はデュアルブート、それよりたくさんの場合はマルチブートといいます。

あらかじめWindows10 OSをインストールしておけば起動する時にMac OSとWindowsを選択することが可能です。ちなみにWindows10以外にもLinux OSなどをインストールして使うこともできます。

起動する時にOSを選択というと動作に不安を覚える方もいらっしゃるかもしれませんね。でも、Boot Campの仕組みはAppleが公式にサポートしている仕組みです。だから安心して使うことができます。AppleにはBoot Campサポートのページも用意されています。

support.apple.com

https://support.apple.com/ja-jp/boot-camp

Boot Campを使うメリット

メリットはApple公式サポートの安心感と手軽さです。Windows10を入手し、Boot Campを使ってインストールすればそれでOK。Boot Campを使うのに特段難しい点はありません。

ただしWindows10のライセンスはデバイス1台のみとなっています。ですから今既にWindows10を使っている場合、今のOSとは別に新しくライセンスを購入する必要があります。プロダクトライセンスキーが必要になります。

Windows10にはHome版とPro版がありますが、どちらも1万円以上しますので、ここは思案のしどころでしょうね。

Boot Campを使うデメリット

デメリットとしては、MacとWindowsの同時使用ができないということがあります。これは起動時にOSを切り替えて使う仕組みですので回避する方法はありません。

MacとWindowsでファイル共有をしたければファイルフォーマットをexFATにした外部ストレージを使うなどの工夫が必要になります。exFATフォーマットだとMacでもWindowsでも読み書き可能です。ただしHFS+やNTSFに比べセキュリティは弱くなります。またexFATフォーマットしたディスクにTime MachineでMacのバックアップを行うことはできません。

MacとWindowsを同時に使う場合や、頻繁に切り替えて使うという状況が想定される場合にはBoot Campは向きません。いちいち起動しなおす必要がありますので面倒なことになります。

次にディスク容量の問題があります。ひとつのPCに2つのOSを入れるわけですから当然それなりのディスク容量が必要になります。最近のMacはSSDで高速化を図っていますので、ハードディスクに比べてディスク容量が少なめです。ですので128GB SSDなど容量の少ないMacでは不安があります。

USBメモリを購入して起動可能なWindows 10をインストールする方法

そのような場合にはUSBメモリにWindows OSをインストールする方法があります。USBメモリも今は随分と安いものが入手できます。メモリ容量が128GBぐらいのものがあれば大丈夫でしょう。Windows10の起動可能なBootable USBとして使用できます。

これからMacを購入しようとしている方でWindowsとの併用をお考えの方はできるだけディスク容量の大きいモデルを選択することをお勧めします。価格は少し高くなってしまいますが仕方ありません。ちなみに、はるなぴは1TB SSDモデルを使用しています。

なおWindows10の32bit版なら小さくて軽いからいいだろうと考える人がいるかもしれませんね。ですが、残念ながらBoot Campでは32bitをサポートしていません。なので古い社内システムでWindows10の32bit版がどうしても必要という場合はBoot Campはお勧めできません。

MacとWindowsのキーボードとマウスの違い

更にキーボードの違いの問題があります。これはBoot Campだけの問題ではありませんが、ここで説明しておきましょう。

そもそもMacのキーボードとWindowsのキーボードはキーの配置が異なります。また物理的な違いもあります。ですからまったく同じキー入力は不可能です。従ってキーマッピング対応を覚えて、optionがAltなどと読み替えて使っていくことになります。

またWindowsでよく使うDeleteキーはMacにはありません。というかMacではDeleteキーはBackspaceキーのように動作します。ですので、キーの割り当て変更ソフトなどを使ってカスタマイズする必要が出てきたりします。かな漢字変換で使う半角/全角キーもありませんので他のキー操作に読み替えることになります。特にMacでUSキーボードの方(はるなぴです!)はかなり複雑なことになりますのでお覚悟を。

さらにマウスもシングルボタンマウスでは右クリックができません。Macで右クリックを使いたいのなら2ボタンマウス以上のマウスを使う必要があります。

Windowsゲームを動かす場合

要は何から何まで完全にWindowsと同じ使い勝手にできるわけではない、ということです。特にMacでもWindowsのゲームが動くかというと要注意です。

3DのゲームソフトなどはグラフィックドライバーなどWindowsで動いていたのと同じものをインストールしないと動かないことがあるでしょう。対応するGPUを積んでいないと動かないソフトもあります。

MacでBoot Campを使うのが合う人

MacでBoot Campを使うのが合う人は次のような方です。

Mac OSとWindows OSを切り替えて使う方。同時に使用する必要の無い方です。更にWindows10 OSは新たに1つライセンスを購入できる方あるいは余っているものがある方ですね。

Macを既に持っている人でWindowsも試しに使ってみたいと思っている場合はいいのではないでしょうか。新しいWindowsマシンを別に購入しないでも済みます。Macのハードウェアを利用できますから高性能なWindowsマシンがOS代だけのコストで手に入ると考えることもできますね!

Boot Campの場合には切り替え時にOSのWindowsマシン再起動が発生するので使えないと思う方もいるかもしれません。しかしそれは昔のWindowsマシンのイメージが強いからかも。今のWindowsは起動が早くなっていますし、Macの強力なCPUとSSDの環境なら起動時間は短くなります。

ですからMacとWindowsをしっかり使い分けて使用する場合はBoot Campがコストも低くお勧めになります。

Parallels DesktopでWindowsを使う

MacにParallels DesktopをインストールしてWindowsを使う方法です。

Parallels DesktopというのはMacで使える仮想化ソフトウェアの名前です。Mac OSの上で動く仮想化ソフトなので起動時に切り替える必要はありません。Macの上でWindowsを動かすことができます。つまり同時使用することが可能です。

Parallels Desktopを使うメリット

Parallels Desktopの最大のメリットは、Mac OSとWindowsを同時に使用できるということです。

ファイルの受け渡しも楽々です。WindowsソフトウェアとMacアプリを同時に使用することも可能です。

またBoot Campのようにいちいち再起動したりする手間もありません。アプリのひとつのように使うことができます。

Parallels Desktopを使うデメリット

まずお金がかかるというデメリットがあります。Macで公式にサポートされているBoot Campと違いParallels Desktopは後から購入する必要があります。

Parallels Desktop 14 for MacのStandard Editionが割引無しの価格(定価)で8,500円というところです。(2019年7月現在)これに更にWindows 10のライセンス購入費用がかかります。けっこうコストがかかりますね。

また仮想化環境で2つのOSを同時に動かすわけですから、その分メモリやCPUを消費します。特にメモリは足りなくなると動作がもたつきますのでハイスペックなMacが望まれます。動画編集など重いソフトを使用する場合はCPU負荷が高くなりますから用途に合わせたマシンスペックを見積もる必要があります。

MacでParallels Desktopを使うのが合う人

MacとWindowsを同時に使う必要のある人はParallels Desktopですね。

同じような仮想化ソフトウェアでは無料のVirtualboxやVMwareなどもありますが、Parallels DesktopはMac用の専用ソフトウェアですから対応の木目細かさが違います。

WineでWindowsを使う

MacにWineをインストールしてWindowsを使う方法です。

Wineというのは元々UnixでWindowsを使うために作られたプログラムです。Wineは仮想化環境ではありません。WineではWindowsプログラムをネイティブ動作させることができます。

Wineを使うメリット

Wineはフリーソフトです。また先ほど述べたように仮想化ソフトではないのでWindows10のライセンス認証も必要ありません。

ですので、お金がかからないというのがMacにWineを導入する最大のメリットになります。

またParallels DesktopのようにMacと同時にWindowsを使うことが可能です。いちいち再起動する必要はありません。

更に仮想化ソフトではないのでそれほどメモリやCPUを消費しません。非常に軽く動作します。ハイスペックではないMacでも導入が可能です。

Wineを使うデメリット

Windows環境を完全に実現できるわけではありません。Windows10ライセンスを購入していないのですからこれは仕方ありません。

ですので動かないWindowsソフトもかなりあることを覚悟する必要があります。また仮に動作したとしてもすべての機能が使えるとは限りません。動作が保証されないことが最大のデメリットです。

MacでWineを使うのが合う人

とにかくお金をかけずにMacでWindowsを使いたいという人に合っています。

今までは導入するためにUnixの知識が必要だったりしましたが、簡単にインストールできるEasyWineが出てきました。はるなぴも使っていますが、この解説は長くなるのでまた別の機会にしたいと思います。

MacからWindowsをリモートデスクトップで使う方法

MacからWindowsのリモートデスクトップ機能を利用して接続し使う方法です。

リモートデスクトップ機能を利用すればネットワークに接続されたWindowsを利用することが可能になります。要はMacとWindowsという2台のPCをひとつの画面で利用するということです。

リモートデスクトップを使うメリット

既に持っているWindows PCをリモートから利用するだけなら費用は一切かかりません。購入すべきOSもソフトウェアもありません。お金がかからないということが第一のメリットになります。

リモートデスクトップ機能の設定をする必要がありますが、LAN内のパソコンであればそれほど難しいものではありません。Windows側を既に使用しているのであれば、必要なWindowsソフトウェアなども揃っていますので、すぐに使い始めることが可能です。手間がかかりません。

またMacのメモリやCPUの消費も最小限ですみます。Windowsの動作はリモート側のPCのリソースで実行されるからです。従い特段ハイスペックなMacは必要ありません。

リモートデスクトップを使うデメリット

リモート側にWindows PCを用意する必要があります。しかも使いたいときはリモート側PCを常時電源オンにしておかなくてはなりません。常時オンにするのがイヤな場合はリモートからWindows機の電源を入れることを可能にしておく必要があります。(Wake on Lan機能)

またWindows10 Proが必要になります。Windows10 Homeでは使うことができません。Windows10 Homeの人はProにアップグレードする必要があります。これにはお金がかかりますし、ハードウェアの要件(メモリ/CPUや空きディスク容量)を確認する必要があります。

LAN内で使用するのではなく、外出先から自宅のWindows機を使うような場合は設定が面倒です。ポートマッピングなどWi-Fiルータの設定もしなくてはなりません。セキュリティ上のリスク対策も考える必要があります。

ただし設定はTeamViewerというソフトウェアを使えば解決します。TeamViewerは、個人での利用は無料のソフトウェアです。IPアドレスもネットワーク設定も不要で初心者でも簡単に使うことができますのでお勧めです。セキュリティ対策には気をつける必要があります。

リモートデスクトップを使うのが合う人

既にWindows PCを持っていて常時電源を入れておける環境にある人にはリモートデスクトップを使うのが合っています。

ここではMacからWindowsを使う場合を想定しています。しかしリモートデスクトップを使えば、逆にWindowsからMacを使うことも可能になります。

お互いにOSを行き来したいという場合はこちらの方法がお勧めです。新たに購入するハードウェアやソフトウェアがなくコスト的にもメリットがあります。

MacからWindows10デスクトップクラウドを使う

MacからWindows10デスクトップクラウドサービスを利用する方法です。

デスクトップクラウドとは、Windows10のようなデスクトップ環境をクラウドで提供しリモートから利用する仕組みやサービスのことを指します。

お名前.com デスクトップクラウド、Amazon WorkSpaces、さくらのクラウドWindows Server for リモートデスクトップ(MS Office付き)などさまざまなサービスがあります。

デスクトップクラウドを使うメリット

クラウド上のサービスとしてリモートからWindowsを利用するのでハードウェアの購入や保守が必要ありません。

また盗難や紛失などのリスクを無くすことができます。シンクライアントサービス導入で謳われているメリットがあります。

デスクトップクラウドを使うデメリット

価格が高い。クラウドサービスのタイプにもよりますが月々数千円は費用がかかります。これが最大のデメリットです。個人で長期間使うのは難しいかもしれませんね。

逆にWindowsデスクトップ環境が僅かな期間だけ欲しいという場合などにはお勧めです。

デスクトップクラウドを使うのが合う人

ハードウェアは必要ない、Windows環境だけあればいいという人。企業などで複数人のWindows端末を揃える必要がある場合などはデスクトップクラウドが合うと考えられます。

Windows Serverを利用できるVPSを使う方法

VPSとはVirtual Private Serverで仮想の専用サーバーを指します。

なのでWindows Server用のVPSサービスに申し込みして利用することでMacでWindowsを使うことが可能です。

Windowsを利用できるVPSはたくさんあります。ConoHa VPS、GMO VPS、さくらのVPS、ABLENET VPSなどが有名どころです。

VPSを使うメリット

Windowsサーバー環境が手に入りますのでWebサーバーやメールサーバはじめ各種サーバーを建てることが可能になります。

リモートデスクトップ同様、ハードウェアが不要です。負荷に合わせてプランを変更することが可能です。

VPSを使うデメリット

専用サーバーですのでそれなりの知識が必要です。セキュリティを含めある程度の設定やメンテナンスは自分で行う必要があります。

プランによりますが費用は月々数千円と高いです。安いプランもありますが、メモリが少なくCPUが非力なので、本当に使えるかどうかよく考える必要があります。

VPSを使うのが合う人

Windowsサーバー機能を必要としている人です。サーバーが不要な方にはもったいない使い方となるかもしれません。

また自分でサーバーを立てたり管理することができる人に合っています。

MacでWindowsを使う方法の比較表

それぞれのメリット、デメリットを比較してみます。

項番 方法 価格 メリット デメリット
1 Boot Camp 手軽 同時使用不可
2 Parallels Desktop 同時使用可 やや高価格
3 Wine 無料、軽量 限定動作
4 Remote Desktop 無料 要同時起動
5 Cloude Desktop × クラウド 高価格
6 VPS × サーバー環境 高価格

いろいろな方法があるので自分の使うスタイルに合わせて選択することをお勧めします。それにしてもMacでWindowsを使うのに随分と需要があることが分かりますね!